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低価格帯のオーディオインターフェースと比較して
比較したのは1万円台でコスパが高く大人気機種のKOMPLETE AUDIO 2。
結論としては音の違いがはっきりと分かる。
出力は音のレンジが広く、分離感も良く高い明瞭度。
入力は低ノイズでクリアな録り音。
筆者は特段耳が良いわけではないが、それでも違いが分かるレベルと思ってほしい。
特に出力については1万円と少し程度の価格差でこうも違うものか、と感じたレベル。
注目すべきは「Legacy 4Kモード」ボタン。
このボタンを押すとエンハンサー的なエフェクト効果が得られる。
詳細については本記事にて後述しているのでそちらを見てほしい。
バンドルソフト、プラグインは使いものになるの?
付属するソフト、プラグインは以下の通り
・Ableton Live Lite
・SSL Native Vocalstrip 2
・SSL Drumstrip
・SSL Native Plug-ins(6ヶ月トライアルライセンス)
・AmpliTube 5 SE
・Melodyne 5 essential
・Session Bundle
Ableton Live Liteの付属により直ぐに音楽制作が可能。
特にSSL Native Vocalstrip 2は歌ってみたを行うのであれば即戦力のプラグイン。
いずれも既に多くのレビュー記事がネット上に存在するため操作には困らない。
今回このバンドルの中で特に注目したいのは、
SSL Native Plug-insの6ヶ月トライアルライセンスが付属するということ。
SSLのプラグインはプロの作編曲家やトラックメーカーも使用しているため、
トライアル期間内で気にいったプラグインがあれば、
定期的に開催されるセールで購入するというのも手だろう。
トライアルできるプラグインについては公式サイトで閲覧が可能。
配信者向け?
残念ながらSSL 2は配信者向けではない。
ループバック機能が無いためである。
VoiceMeeter Bananaなど仮想ミキサーの使用で解決できるが、
配信トラブルのリスクを考えるとおすすめできない。
配信もしたい場合はループバック機能搭載のSTEINBERG UR22Cがおすすめ。
これまでURシリーズは制作向けのインターフェースのイメージがあったが、
近年は「dspMixFx UR-C」という付属コントロールソフトウェアの存在により、
OBSを使用した配信が簡単に行えるためストリーマー向けに強化されている。
※実は上記ソフトウェアにはボイチェン機能も搭載されていたり
歌ってみた向け?
歌ってみたユーザーに関しては4Kボタンの存在が大きい。
4Kボタンはレコーディングスタジオに設置されている
SSL製のミキサーSSL 4000をイメージしたサウンドに近づけるボタンだ。
押すだけで艶とハリがもたらされた一歩前に出る音となる。
Waves E-ChnannleなどのSSL 4000系のプラグインを使う人もいるだろうが
セッティングに頭を悩ませずともボタン1つで手軽に良質な音が手に入る。
一方追い込んだセッティングはできないというデメリットがある。
ただ、それは追い込める人のみに生じるデメリット。
SSL 4000の特性や操作に詳しくなければ特に気にする必要はない。
また、以下の方法で後処理でなんとでもできる。
・付属するSSL Native Vocalstrip2で細部の調整
・付属するMelodyne 5で大まかなピッチ、タイムの調整
スピード感を損なわず、手軽に高クオリティな歌ってみたを制作が可能だろう。
ゲーム向け?
ゲームプレイ時にも相応の活躍が見込める。
PCからイヤホンジャック等で直接音を出力時と比較した場合は勿論、
配信用の安価なサウンドカードと比べてもはっきりと差を感じられる。
これは再現可能な音の周波数の広さが影響しており、
FPS、TPSのような音が重要なゲームではそこそこアドバンテージが得られる。
ただPS4、PS5やSwitchなどでは使用できないため注意。
「SSL2 MKⅡ」が新たに登場
2024年に入りSSL2シリーズが終売となり、
新たにSSL2 MKⅡシリーズがリリースされた。
2020年発売の前作機から4年の時を経て、筐体から内部までフルリニューアルされた。
価格もほぼ据え置きでより高い品質へアップデートされているため、
SSL2の購入を検討されていた方は是非こちらをチェックしてほしい。
また、前作機については在庫限りのセール価格となっているため、
今使用しているインターフェースより品質が高くなれば良いのであればそちらもおすすめする。
まとめ
・1万円台のオーディオインターフェースからのステップアップ先としては”あり”
・音楽制作に限らず歌ってみた、ゲームで使用する場合も活躍する
・ループバック機能がないため配信には向かない